『デジモンゴーストゲーム』第30話「悪友」:感想②
『デジモンゴーストゲーム』第30話「悪友」の感想②です。
長くなったので記事を①②に分割しています。 ①はカヨノと今回のゲストデジモンに関連する話です。②はそれ以外の話です。
■アオイは良い子
逆にこれはそんなに言葉を尽くさないほうが良い気がするのでシンプルに言いますが、
アオイ、めっちゃ良い子~~~!!!!!
小学校の頃は仲良くしていた=去年(中学一年時代)はそこまで仲良くしてなかったっぽい言い方なのに、担任と反りが合わなくて不登校になっているカヨノのことをちゃんと聞きつけて「よしそれじゃあ会いに行ってみよう」って思ってくれて、邪険にされたのに「どこかに遊びに行こう」って続けて誘ってくれるアオイ、シンプルにめっちゃ良い子じゃないですか。特殊なことではない平凡な行動ですが、その平凡な行動をちゃんと実行できる良い子です。幸せになってほしい。いや、こうやってちゃんと平凡に善いことを実行していける子なら、ちゃんと勝手に自分の力で幸せになれるでしょうね。
■ヒロとルリの阿吽の呼吸感がgood
>「今怪しいホログラムゴーストを追いかけてるの。黄色くてモコモコした……」
>「黄色? もしかして前に見た奴かも……」
>「あたしのスマホのGPSで追ってきて!」
戦闘に突入するちょっと前のシーンより。ここの、ヒロとルリの阿吽の呼吸感、仲間としての呼吸感は良かったです。
流石に話数が30話にもなっている(ルリが本格登場した第3話から数えると28話分)だけありますね。話数の暴力で、流石にこういうところは仲間に見えて良かったです。
別にね、ヒロ&ルリ&先輩に仲間感を出してくれるぶんには良いんですよ。ただ、「最初がおかしい(いつ仲間になったか分からない)」のと、「定期的に仲間を仲間と思っていないようなパシリ挙動をやる。パシリに無抵抗なヒロと押しが弱い先輩だから『仲間』ということで歪な関係が維持されているだけ」っていうのがずっと気になるだけで。
■期待できないカノーヴァイスモンの進化リミット設定
カノーヴァイスモンへの進化はリミットがある、なあ。
今までを踏まえるとこれも死に設定になると思われるので、どうでもいいです。ちゃんとその設定を活かしてから呼んでください。
ていうか、リミット設定なんてよっぽどガチガチに設定練ってゴリゴリに脚本に組み込まない限り『脚本都合に合わせて進化解除させたいときに使う』ご都合主義設定にしかならないと思いますよ。
で、今までの戦闘関連設定のグズグズさを見る限り、そんな高度なことができる制作スタッフではないと思います。……できるできない以前に、興味すらない制作スタッフだと思います。
■戦闘に参加できない不遇な方々
先輩&ジェリーモン組は出会いがしらに人形にされてしまって出番無し。
ルリ&アンゴラモン組はジンバーアンゴラモンに進化こそしたもののすぐに人形にされてしまって出番無しです。
なんだか、ほとんどずっとこんな感じでしょうもなく出番が潰され続けている気がします。
不意を打たれた状態に近いうえに元々非戦闘員である先輩はまだしも、人形化攻撃が来ると分かっているのに一発でやられたジェリーモンは正直ちょっと情けないです。犯罪上等な活動をしているわりには、ジェリーモンって戦闘能力や危機察知能力が高くないですよね。
ジンバーアンゴラモンは進化できることすら少なく、進化してもなんだかだ戦わせてもらえないことが常態です。ルリ&アンゴラモン組は二番手の加入メンツなのに、何故か毎回先に先輩&ジェリーモン組が次の形態への進化を達成してしまうのでますます見せ場の余地が減っています。嫌がらせレベルです。
■カヨノの改心や優しさの表現よりも優先される、先輩へのいじめ描写
人形化状態から人間に戻ったのに先輩の髪が爆発したままだったということは、カヨノちゃんは先輩の人形だけは裁縫で元に戻してくれなかったんですね。
整合性を無視してでも先輩いじめ(※制作スタッフはギャグ描写だと思っている)を優先したい『ゴーストゲーム』の中では些末な描写なんですけど、……カヨノちゃんじゃなくて制作スタッフのほうに引きますねえ。今さらなのでドン引きってほどでもないですけど、静かに引きます。
なお、ガンマモンが先輩人形について「キヨ、おもしろーい!」と叫んでおり、その後ヒロが先輩人形を手に持っていた(ガンマモンから受け取った? この一連の流れはカメラの中心には写されておらず、判断しづらいです)シーンがあります。その後すぐ人形化を解除する流れになるので……カヨノちゃんが一生懸命人形たちを修繕しているのに、ヒロ達が先輩人形を持ちっぱなしだったのでカヨノちゃんが修繕の必要性に気づかなかったという可能性はあります。やっぱ、カヨノちゃんじゃなくてヒロ達が悪いかもしれない。まあ一番悪いのは制作スタッフだと思いますけど。
■OP映像へのテティスモンの追加&新カットへの差し替えが嬉しい
前回のテティスモン初進化を受けて、OP映像にテティスモンが追加されました。だけではなく、既存のジェリーモン→テスラジェリーモンのシーンも完全に新規映像に差し変わっています。
個人的には、一連の流れで見ると(テティスモンのデザインが個人的にあまり好みでないことも手伝って)そこまで格好良いものには見えませんでしたが、新規分のジェリーモン→テスラジェリーモンシーンはかなり格好良いと感じました。
厳密に言うとね、ジェリーモン→テスラジェリーモン→テティスモンになるまでの流れは外連味あふれた構図がぐるぐる移り変わって格好良いんですけど、そこまでの構図展開がなまじ目まぐるしいだけにテティスモンのカットがちょっと間延びして感じられるんですよ。
音数的に言っても、「①More/②FAC/③TION/④FAC/⑤TION/⑥真実の(以下略)」という歌詞に対して、
①ジェリーモンが一気に右に移動すると同時にテスラジェリーモンに変化
②テスラジェリーモンがアップになり左手を大きく突き出す
③左手を大きくカメラの前で動かすと同時にテティスモンに変化
④テティスモンが左奥を向き、そのままの勢いでくるっと時計回りに回転
⑤テティスモンがシャワー(技「ドクテアーゼ」)
⑥そのままシャワー続行(→既存のグルスガンマモンのカットに移行)
……ぐらいの流れなので、①→②→③が目まぐるしくてめっちゃ格好良いがために相対的に(本来格好良く見せたいだろうテティスモンを描いている)③→④→⑤→⑥が間延びして見えちゃうんですよ。
あと、カノーヴァイスモンの追加カットがヒロも十分目立つカメラワークだったのに比べると、先輩の影が薄めなカメラワークなのもちょっと残念かな。
いやでも、これらは贅沢を言いすぎですね。総合的には十分格好良いと思います。
ジェリーモンは空を自在に飛べるし回転技を持っている子でもあるから、外連味あるカメラワークでぐりぐりぐるぐる動かしても違和感がなく格好良いのでイイですね。どうしてもアニメ本編中ではそんなに枚数を毎回使っていられないと思うので、OPやバンクで凝ってくれるのはとても嬉しいです。
■そのほか
・ものすっごく細かくてどうでもいいんですが、良くわかんなかったこと。
カヨノが冒頭で見ていたSNSのアカウント名は「あおうたちゃん」(投稿写真よりも上、SNSの画面上部に表示)で、流れからもネーミングからもこのアカウントはアオイのものであるように思われます。けど、投稿写真の下のコメント欄と思しきところには「天ノ川宙」の名前が見えます。ヒロが実名アカウントを持っていて、アオイのアカウントの投稿に反応したんだろうな……というのは良いんですけど、そのコメントの内容が
>みんなでダイエットシェイク~
……なんですよ。うん? それは内容的にアオイ自身の書きこみ、あるいは同行して一緒にシェイクを飲んだルリのコメントでは? 単に作画ミス(作画というか文字内容の指定ミス)ですかね?
・ガンマモンは、相変わらずチョコ害獣です。最近気づいたんですけど、ガンマモンはいちいちチョコについて言及するキャラというより、チョコを出さないとキャラ立ちしないキャラなんですよね。キャラ運用がヘタクソすぎて可哀想です。
・今回はメインゲストのカヨノちゃんが何種類もの服をお着がえしていて豪華でしたね。『ゴーストゲーム』はキャラが着る服装の種類が多いというのは非常に良いポイントだと思います。1年もののアニメでも作品によっては「制服・私服」×「夏服・冬服」で合計4着がせいぜい……ということもよくありますからね。
・アオイちゃんやミカちゃんに「ガンちゃん」と呼ばれて「ホロなのにデザート食べるんだ不思議~」と可愛がられているガンマモンの描写は良かったです。ガンマモンの魅力ではなくて、ガンマモンにも屈託なく優しくしてくれるアオイやミカの魅力が出ているだけですが。
しかし、「(ワルもんざえモンとエクスティラノモンに対して)ホログラム……なんだよね?」と脅えるアオイの描写とは取り合わせが悪かったと思います。同じ回でやることじゃない気がしました。ガンマモンを屈託なく扱ってくれるアオイやミカの魅力はそりゃあアオイやミカが出演しているタイミングでしか描写できませんが、うーん。
・最後にアオイがアンゴラモンについて何か言及しかけたと思われるのも微妙ですね。アオイにとっては今回はホログラムに襲われかけた回のはずで、一方でただのホログラムペットだと思い込んでいるガンマモンと親交を深めた回でもあるはずです。そしてアオイ視点ではルリ(&アンゴラモン)は大して関係がない話であったはずです。この状況で、アンゴラモンについて何か語れるようなこと、あったんでしょうか。