灰色の本

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『デジモンゴーストゲーム』第38話「陰陽師」:感想②

デジモンゴーストゲーム』第38話「陰陽師」の感想②です。

 

長くなったので記事を①②に分割しています。

①でエスピモンの話をしたので、②はそれ以外の話です。

※第37話「死霊ノ群レ」の感想④は近日中に投稿します。ちょっと予定が未定ですけど許してください。

 

 

■コタロウは相変わらずナンパカス

コタロウは相変わらずナンパカスですが、まあもう別に良いんじゃないですかね。サブキャラのコタロウが今さら女好きナンパカスキャラを捨てられもしないでしょうし(女好きキャラを捨てる=別のキャラ性で上書きするには尺をわざわざ取ることが必要なわけです)、女好きナンパカス属性のおかげで他のキャラよりよほどキャラが立ってしまっています。今さらキャラを捨てる必要もないでしょう……というか、もうどうしようもないでしょう。

 

 

■ご都合主義的にヒロが怪異に巻き込まれる

また突然、怪異に巻き込まれるのには渋い顔です。今回はほんとにヒロじゃなくても発生していた怪異ですよね。本来なら別の人(ヒロと同年代の中学生)が若君を演じたはずで、その人が憑りつかれていたはずでした。もちろんその場合、対抗できる要素がなく、成す術もなかったはずです。

たまたまヒロが憑りつかれることで怪異が発生したの、ご都合主義くさすぎると思います。

 

……女子校なので普段は女子が若君役をやっていたのに、今回たまたま代打にわざわざ姉妹校の『男子』を選んだせいでドウモンが「良い依り代がおるやんけ! 若君復活させたろ!」になった、という流れは善意で考えることはできますが……本当にそうだったら、説明がなさすぎます。創作の作り方・見せ方としておヘタクソです。

もうひとつ考えられるとしたら、デジモンが出てきたのはここ数年ぐらいの最近の出来事であるはずなので、ドウモンが出てきて憑りつかれたのも本当に最近1年以内ぐらい→ドウモンが憑りつかれてから初の「若君の舞」だった、という可能性があると思います。こっちの説のほうがまだ『作中で既に説明されていること』に基づいているのでまだマシだと思いますが、どちらにしろ制作スタッフの説明は下手です。

まあ、どうせ「説明が下手」以前に、理屈なんか考えていないのだとは思いますが。

 

デジモンゴーストゲーム』は怪異に巻き込まれる原因が立っていないのが厳しいですね。作中で何度も怪異に巻き込まれていても納得できる理由は「クロックモンが嫌がらせでデジモンがらみの面倒ごとをヒロに押し付けている」ぐらいだと思うんですが、その理由も結局ほぼ使われないまま、クロックモンが嫌がらせをするようなキャラではなくデレデレキャラに堕ちた&面倒ごとを押し付けるようなキャラではなく世話焼き兄貴キャラに堕ちたことで今後使えなくなりました。結果的に、全部の回がご都合主義を起点に話が始まっている印象があります。

 

……ルリがいちいち怪異に突撃していく性格をしている? うん、それは怪異に巻き込まれる理由としてはある意味納得はできますけど、害獣すぎてムカつきますね。

怪異に巻き込まれる導入部分が、ご都合主義な理由で始まるか、ルリが害獣だという理由で始まるか。どっちも良くはないです。

 

 

■害獣ルリの言葉尻が最悪

例によってルリが害獣だよなっていう、いつもの話なんですけど……。

ルリ、まあ、ガンマモンの話がよく分かってなくて深刻度も伝わってないのにとりあえずで電話切ってるのも(実際赤ちゃんガンマモンが説明ヘタクソなのが悪いと言えど、赤ちゃんなわけで。更には、電話を代わったはずのエスピモンはまともに説明したと思われるわけで)酷いんですけど……

 

>「今すぐ鎌倉なんて……」

 

いや最悪だな。言葉尻が本当に最悪だな……。

「今すぐ鎌倉」がどう考えても大変なのはそりゃあ分かるんですよ。実際、エアドラモンというイレギュラーな手段を使って高速で向かっても、ルリ達は事態解決に間に合いませんでした。それ自体は仕方ないと思います。第22話「悪夢」で事件現場に行くことを諦めてさっさと寮の自室で寝ていたヒロという先例もありますから、それに比べれば頑張って来てくれただけ相当マシです。

でも、そんな、『そんなとこまで行くのなんか無理だし……』と言わんばかりの言い方をしなくても良いでしょうが。なんなら暗に『さっさと諦めたいなあ、どうでも良いし』とすら聞こえかねない言い方をしなくても良いでしょうが。

 

例えば「今すぐ鎌倉に来いって! どうしようアンゴラモン!」と焦った言い方をしてくれれば、「助けに行きたいけど方法がない」っていうニュアンスになるじゃないですか。焦らせたくなかったとしても、「今すぐ鎌倉なんて……行く方法なんてある?」と付け加えれば、少なくとも鎌倉に行く方法を前向きに検討しているニュアンスになります。なんでそういう細かいニュアンスを整えてくれないんでしょう。なんでそういう細かいニュアンスが、いちいち冷淡なんでしょう。一貫してルリは、冷淡で自分勝手な害獣ですよね。

追記:これに関しては、心配しているor焦っている調子の声を出さない声優さんの演技も悪い……と思うのですが、絵の時点で心配しても焦ってもないので、制作スタッフの意図としてはあの演技が正しいのだと思います。つまり、声優さんじゃなくて他のスタッフが悪いですね。

 

 

■考証が弱い……以前に脚本が雑

『ゴーストゲーム』で今さらそんな考証どうでもいいとは思いますけど、「臨兵闘者皆陣列前」の九字は魔除け(守り)のまじないです。「おんかかかびさんまえいそわか」は地蔵菩薩真言です。どうあっても攻撃術の呪文(トリガー)にはならないと思います。それっぽいことを言わせてるだけですね。

 

基本的に『ゴーストゲーム』は考証が弱いです……っていうか、具体的な考証以前の話として「あともう一歩、設定を突き詰めて考えたらなんかおかしいって思わない?」ってことが多い気がします。

例えば前回第37話のデータセンターも、若干不自然な出し方でしたしね。んで、不自然な出し方をしている割にはそれで脚本がスムーズになっているように見受けられないという。「ああ、それを入れたほうが他の要素との嚙み合わせの都合が良かったのね」まで到達できてなくて、「嚙み合わせが悪いものを無理やり噛み合っていることにして、苦し紛れに1話を作っているなあ……」という印象なのです。

 

(その点で言えば、今回は良くも悪くも「経歴的には本物の陰陽師ではないドウモンに、見た目的に陰陽師ネタをやらせたかっただけ」だったと思われるので、「見た目的に陰陽師っぽかったらそれで良い」という割り切りにはなっていたと思います。)

 

 

■そのほか

・身も蓋もねえんですけど、ヒロの様子がおかしくて拒絶されてガンマモンがヘタる回、第32話「オマエハ誰ダ」で見た。同じようなことやるならもうちょっと捻ってほしい。流石に既視感しかなかった。ガンマモンが第32話に比べて成長したと思えるところもなかった(エスピモンがハッパかけないと復活しなかったので、むしろ退化してるようにさえ感じた)。

 

・かなりどうでも良いんですが、今もう夏休み期間(どころかお盆)なのに『修学旅行』……? 『ゴーストゲーム』の暦は基本的に現実世界と一致してたと思ったんですけど、まさか不正アクセス事件からまだ暦を合わせずにズレっぱなしなんですかね。プリキュアもそんな感じなんですが、不正アクセス事件によるズレってそんなに長く影響して、しかも作中の細かい描写ですら調整不可なものなんです……? (常に四か月分ぐらいかそれ以上に先の回まで、修正不可能レベルにまで完成させてる……ってことですか……?)

 

・よくわかんないんですけど、姉妹校って女子校ですよね。その女子校の子が体調不良で、代打でヒロが出ることになったんですよね。若君役は本来なら女子がする予定だったってこと? そんな目玉役を、その場のノリで本校女子から姉妹校男子に変えたんだ? そういうもんなんですかね……まあどうでも良いか……。

若君をやるのが学校の伝統と言っていましたが、体育館やもっと大きなメインステージっぽい特設ステージではなく、だいぶ小ぢんまりした特設ステージ(メインステージとは別に弱小部が使ってそうな……)でやっていたのも首を傾げました。

 

・ヒロが絶叫して消える前のシーン、電子機器とは無関係に空間中に電子エフェクトがかかっていたの、なんだかな。なんでもいいのか?

 

・ドウモンは何か聞いたことがある良い声だなと思ったら緑川光さんだったんですね。また、どうでもいいキャラにとんでもなく良い声優さん連れてきて。

……まあ、『ゴーストゲーム』はほぼ全員どうでもいいキャラなので、その理屈だと誰にも良い声優さん当てられないことになっちゃいますけど。

 

・エアドラモンは、高貴チンピラですね。鎌倉行きのための都合の良い乗り物だったんですけど、それでも間に合わなかったのであんまり意味はありませんでした。なんか意味があったんでしょうか……まあ、先述したとおり、第22話で現場行きを諦めて寝たヒロの描写に比べれば、意味がなかろうと駆け付ける描写が入ってただけでもマシですね。第22話のヒロは一応バクモンを送り付けたうえで寝てたんですが、今回はルリ側の情報ではガンマモンがそこにいたエスピモンに助けられて事態を解決できるとは思わないわけですし。

 

エスピモンはビジュアルとしては「今までの世界観を崩す、奇怪な見た目の新マスコットキャラ」なので、ファンに害獣呼ばわりされてもおかしくない立ち位置なのがメタな意味でちょっと面白いですね(実際、原作もの作品のオリジナル展開に登場した似たような立ち位置のオリジナルキャラがファンに害獣に近い呼び方をされているのを見たことがあります。最終的に、ファン内では愛情も込みの愛称としてそう呼ばれるキャラに落ち着いたようでしたが)。作中でやってることは既存デジモンのほうが害獣なんだよ。ウケる。

でもさくっとヒロの生徒証をパクっているのは流石の『ゴーストゲーム』の倫理観です。盗み見る程度で良かっただろ、ほんとに盗むな。

久々に明確な「主人公サイドの犯罪行為」が出てきて喜んだ邪悪な精神の持ち主は俺だけで良いです。エスピモンがこのまま主人公サイドのサブ仲間キャラに落ち着くのかはまだ予断を許しませんが。

 

・ところで、今回が「エスピモン登場(初回から38話もかけてついにメインキャラ以外の追加サブ仲間キャラと思われるキャラの登場)」という新展開でしたけど、もしかして今までの死ぬだー殺すだ殺されるだー殺すだなんだっていう展開は前回で終わらせたつもりなんですか? マジで? い、いや、流石にそんなことないですよね? グルスガンマモンも再登場してないし……グルスガンマモンはもう気分的には20話ぐらい(※最後の登場が第21話なので実際には17話)出番がないし……。

流石にあれで終わらせてたら倫理観がゴミすぎるぞ。……いやあ、『ゴーストゲーム』の倫理観は最初から十分ゴミすぎる気はしますけど……。

 

・どうでも良い話。今のED曲なんですが、多分、このED曲が似合うような『デジモンゴーストゲーム』というアニメをやっている世界が異次元のどこかにあるんでしょうねえ、などとぼやぼや思いました。そっちのアニメが見たいです。今俺の世界で放送されている『デジモンゴーストゲーム』というアニメにはこのED曲はびたいち合ってないと思ってますし、『ゴーストゲーム』のスタッフはアニメの内容を偽って曲を作ってもらっただろって思ってます。

 

 

■余談:宣伝の方向性が分からないし『デジモンサヴァイヴ』と喧嘩してるという話

前回第37話と今回第38話がそれぞれ重要回だったのは分かりますよ。普通ならクールの節目に持ってきても良いような重要回でしたよね。

新キャラが出てきただけで何も話は進んでいないといえばそうだがな。エスピモンが良いヤツだっただけで、話はいつもの低クオリティだったし。

 

でも、あの……濃いデジモンファンのみなさんって、今はゲーム作品の『デジモンサヴァイヴ』(※7/28に発売。日付としては第36話「嘆キノ迷宮」の直前)に大わらわな時期なんじゃないですかね……?

噂を聞く限り、『デジモンサヴァイヴ』側から『デジモンゴーストゲーム』に誘導する仕組み(タイアップなど)はないんですよね。逆に『ゴーストゲーム』を見てても『サヴァイヴ』への導線はCM以外に存在しないようですし。仮に登場デジモンなどが『サヴァイヴ』とのタイアップになっていたとしても、新規層だったり俺(中の人:グレイ)みたいなにわか層に伝わらないんじゃあマニアックすぎて宣伝としては意味がないと思いますし。

 

……ぶっちゃけ『ゴーストゲーム』のメイン視聴者層って、「惰性で見ている、元々の濃いデジモンファン」だと思うんですけど……(※ツイッターで短文で感想書いている人ならさておき、長文でしっかり感想を書いている人を探すとそういう感じの方しか見つけられない)。濃いデジモンファンが『サヴァイヴ』を必死で攻略していて『ゴーストゲーム』を視聴からちょっと離れてそうな時期に重要回をぶつけてくるの、タイミングとして大丈夫なんですか? (※これは『ゴーストゲーム』の感想を探していたらそういう方を複数人見かけたので言っています。)

……デジモンはアニメファンとゲームファン(とカードゲームファン?)が完全に分離しているという噂も聞きますので、ゲームが発売されようと気にしないしタイアップもしないっていうスタンスなんですかね?

 

いや、『ゴーストゲーム』の宣伝スタンスがほんと意味が分かんないんですよ。

・ベツモン回(第32話「オマエハ誰ダ」)なんかを宣伝する予算があるなら、その予算で前回か今回を宣伝すれば良いじゃん。

・完全体入りの新ビジュアルを作成するなら、今回のエスピモン登場(と次回のリュウダモンとやらの登場?)を待って、エスピモン(&リュウダモン)を入れて新ビジュアルを作れば良いじゃん。

・どっちが先でどっちがかぶったのか知らないけど、ゲームの『デジモンサヴァイヴ』も『ゴーストゲーム』と同じ怪奇ホラーなら相互に宣伝し合えば良いじゃん。

 

特に『サヴァイヴ』ですよ。せっかく「アニメ放送中にゲーム発売」「ゲーム発売時期にアニメ放送中」という絶好のチャンスなのに、なんで相互で宣伝する仕組み(どっちも見るとより楽しくなる仕組み)を作らないの?

なんで『サヴァイヴ』の盛り上がりと食い合うような時期に重要回を放送するのかということは更に分かりません。『サヴァイヴ』側に何かしらの誘導が張ってあって、『サヴァイヴ』購入者が『ゴーストゲーム』を見るから視聴者が増えるという想定ができるなら分かりますよ? けど、単にゲームが出て、ゲームのほうに興味を持って買ったから、特に話が繋がってるとかのアナウンスはないけどアニメが今やってるらしいから途中の回だけど見てみるべ……ってことには、(もちろんゼロではないでしょうが)あんまりならないと思うんですけど……。

 

デジモンサヴァイヴ』のほうの宣伝もだいぶ下手だよな、方向性は個人的には気になるのに公式サイトだけでは内容が全然分からないから購入に踏み切れないよな……ということについても結構文句があるのですが、それは『サヴァイヴ』に対する文句であって『ゴーストゲーム』には無関係なので、ここまででやめておきます。

 

ちなみに俺(中の人:グレイ)はホラージャンルが好きなわけではなく、メガテン好きなだけです。別バージョンメガテンが見られる可能性を感じてしまったせいで『ゴーストゲーム』に変な沼り方をして、『ゴーストゲーム』とは別の意味で別バージョンメガテンが見られる可能性を感じて『サヴァイヴ』を気にして評判待ちしています。