灰色の本

アニメ他の創作作品の感想とか。更新がある日は、22:00に予約投稿します。

MENU

『デジモンゴーストゲーム』第42話「人狩リ」:感想

 『デジモンゴーストゲーム』第42話「人狩リ」の感想です。 なんというか……特筆して書きたいことがそこまでない……。

 

 

■言及したいことがそこまでない

今回、見終わった感想がこう(↓)でした。

良いからエスピモン映せよ。

完。

 

い……いや……。全体についての感想はほんとそれだけでした……。

最近中の人(グレイ)のリアルが忙しくてあまり文字数を書けない(執筆時間を取れない)というのはそうなんですが、いやあ、時間があったところで39話~今回42話の感想記事はこれ以上充実させられませんよ。エスピモン以外ずっと内容が無いんですもの。内容が無いこと自体は『ゴーストゲーム』ではいつものことですが、以前にも増して体感が虚無になっている気がします。

 

エスピモン以外が虚無って言いましたけど、エスピモンもぱっとしていたのは今のところ初回だけという印象です。コメディアニメのマスコット型人外主人公が人間主人公の家に居候を決め込むがごとくヒロの家に転がり込んできた居候型マスコットのエスピモン(※)ですが、居候形態が活かされることはなく、「居候空気」という新ジャンルを築きつつあります。せっかく新キャラを出したんだから、しばらくは新キャラにフォーカスを当てることぐらいできないものですかね……。

(※)厳密には多分居候まではしてなくて入り浸ってるだけと思われますが、今は創作の『型』の話をしているので居候型で間違いありません。

 

 

■突然の人体貫通グロシーンがモニョる

『ゴーストゲーム』は直接的に人間に対するグロシーンを描けないのかと思ってましたが、今回はがっつり人間に刃物をぶっさしてましたね!? 冒頭では「一瞬しか見えないからOK!」的な話なのかと思いましたが、ヒロにがっつりぶっ刺さってるシーンはがっつり映していました。

……と言いながらも、『痛そう』ではあまりなかったので怖さは……微妙ですね……。ヒロもルリもぐっさり貫通されてるのに絵の感じではそこまで痛がっていませんでしたし、絵の段階でそんなに苦しんでないので声優さんも本気を出して痛がる演技ができない、というようななんとも中途半端な仕上がりでした。

ヒロの声優さんが絵との兼ね合いという制約の中であっても頑張って演技をしてくださっていて、ヒロの痛そうな声を出していたので、ヒロが嫌い寄りな自分はなんかスッとしたというところはありました。声優さんは凄い。絵は凄くなかったけど。

 

『ゴーストゲーム』のホラーアニメとしての質は、最近は低空飛行すぎて地面にめりこんでるレベルだと思います。もともと作画による表情演技で恐怖の感情を表現してくれないほうのアニメではありましたが、最近は本当にそういう恐怖表情の描写を放棄しているような気がします。2クール目ぐらいまでのほうが頑張ってくれていたと思います。

一番表情演技を頑張っていたのはまず間違いなく第17話「極寒地獄」だと思うんですよ。少なくとも、第17話レベルの表情作画はやろうと思えばできるはずなんです。なのに、ヒロが刀でぶっ刺されるという大ダメージを受けるシーンでもそのレベルの作画を出してこない。グルスガンマモンが再登場したことから制作側にとっては重要な回と認識していると思われるのに、表情作画を頑張らない。やる気が無いなあと思います。

 

逆に、痛々しい表情をさせすぎるとグロくなりすぎてしまうから見送ったんだとしたら、そもそも刀貫通なんて描写や展開はしなきゃよかっただけだと思います。

なんか、腹立つんすよね。刃物でグッサーなんて展開ができるなら、今回みたいな平坦な展開で安易に使ってないで、他にもっと使うべき回が過去にちらほらあったと思うんですよね。もっとシリアスな回で、シビアなことが起きているんだと分からせるためにグロさを出して印象を締めたほうが良さそうな回が幾度かあったと思います。それをしてないんだから、そもそも『ゴーストゲーム』はホラージャンルと言いつつ「直接的にグロテスクな表現」は規制などの大人の事情で全くできないんだと思っていました。

なのに、え、何。刃物ぶっさしぐらいはできるんじゃん。じゃあなんで過去のあの回やらその回やらではやらなかったの。なんでこんなつまんない回(※)でやったの。意味不明。

 

(※)制作スタッフ的には大事な回のつもりなんだろーなーというのは認めますが……そもそも脚本からして『いつものゴーストゲームのいつもの害獣』で特別感が全く無く、刃物がぶっ刺さってようとヒロたちがあまり痛がってないから普段と比べてピンチ度合いが高いという表現にもなっていません。グロ表現が脚本に貢献してなさすぎです。

……本当はこの「重要回らしいのに脚本がショボい」というのも別に専用項目を立ててきちんと述べるべきものなんでしょうが、語るのがダルいです。興味が持てない。とりあえず自分は、いつもの捨て回(『ゴーストゲーム』にはほぼ捨て回しか無いのでつまりいつもの回)だと思って見ていたら急にガンマモンがキレ始めてついていけませんでしたし、ついていく気にもなりませんでした。

 

 

■作画が雑

そもそも今回、作画自体がだいぶ雑じゃありませんでした?

自分はそこまで作画を気にしないのですが(だからよほどでないと作画が良い回も気づいていないことが多いです)、今回は自分でも気づくほど崩れていたと思います。特にキャラの顔ですかね。

「人間同士がひっつく」というシーンで崩れていたので、キャラの顔が崩れてるのも人体の構成自体が崩壊していることの表現=つまり故意なのか? と困惑しながら見ていましたが、その後も崩れていたので本当に単に作画が悪いだけでした。

 

その後、急に超展開でガンマモンがヒロヒロ言い出してぬるぬる暴れ始めてグルスガンマモンが登場するので……作画の余力を全部ガンマモン&グルスガンマモンに食われたってことですかね……。

ガンマモンやグルスガンマモンがぬるぬる動いてようと、まず「普段の回と比較して」ガンマモンがぶちきれなきゃいけない理由(=「普段の回と比較して」ヒロがピンチであるという描写)がぜんぜんピンと来なかったので、どうでも良かったです。なんで急にガンマモンも作画も盛り上がり始めたんだろうな……としか思いませんでした。

 

 

■グルスガンマモンは茶番

グルスガンマモン。第37話「死霊ノ群レ」で殺害による解決をもうやっちゃった以上、グルスガンマモンの存在自体が茶番だと思います。

 

 

■そのほか

・ただでさえ怪奇現象が怖いのに、更に用事の予定まであるのに、チームりるるんとやらに駆り出されて拒否さえ許されない先輩、本当に可哀想です。オタク用語ではなくてガチな意味で「人権がない」と思います。

用事が任意参加の趣味(オタク趣味)だからダメなんですか? でもチームりるるんとやらの活動も、善意のヒーロー活動というよりルリの承認欲求で同意なく他メンバーを振り回しているだけの趣味ですよね? ルリも、先輩の拒否を全く考慮しない他メンバーも、何様のつもりなんでしょう。こいつら、全然「対等」じゃないですよね。

 


・そもそもチームりるるん、結成エピソードが存在しないんですけどね??? なんでルリは同意なく他人をチームりるるんとやらに振り回して平気なツラをしてるんでしょう?

 

・鬼なんて警察は取り合ってくれないって言うけど……鬼なんか関係なくても、失踪事件ですよね。普通に捜索願ぐらい受け付けてくれるのでは? 捜索願さえ受け付けてくれないならそれは鬼がどうこうという問題ではなくてその田舎の警察が腐ってるよねっていう段階の問題ですよね?

 

・オボロモンはまだ良く知られていない未知のデジモン、って……。そもそもデジモン達の文化が、そんなに真面目に自分たちデジモンを種族別に系統立てて傾向を調査・把握しているイメージはないのですが……。逆に『既知のデジモン』ってなんなんですかね。

 

・グルスガンマモンのセリフ「俺とシンクロするつもりもねえのに命令かよ」。

シンクロって何????? だぁら、知らないことを知らない言葉で説明しないでほしいんですよね! 『ゴーストゲーム』のいっつもの説明のヘタクソさです。これ、原作アリの素人二次創作じゃないんですよ? これ自体が原作なんですよ? なんで設定の説明をしないんですかね。

そりゃあ分かりますよ? デジモンが戦うときに人間の脳裏に技名が浮かんでピキーン! ってなってるアレのことでしょ? シンクロが何を指したい言葉なのかは察せるし察してあげますよ。でもシンクロすると何が嬉しいとかそういう描写は一切ないんですが!? 『ゴーストゲーム』はいっつも説明がドヘタクソです!

 

・オボロモンの五色は五行思想(青赤黄黒白)の色かなと思って見ていたら、そんなことはありませんでした。赤青緑黄紫、ソシャゲの五属性みたいな色ですね。

……うん? でも『黒』はあったはずですよね? じゃあ紫に見えたのは黒の表現? ……その考えで行くと、緑が白なんですか? 無茶じゃないですか?

 

・美咲さんが助かったというシーンで、「美咲さん?」と先輩が声をかけるだけで肝心の美咲さんを映さないの、『ゴーストゲーム』らしいですね。特に本筋に関わる部分で、絵での説明がずっと下手。他のアニメなら、美咲さんが身を起こす絵ぐらい入れてくれると思います。(アニメーションがついてなくても、せめて美咲さんがどの人なのか分かりやすい構図で画面を作ると思います。)

 

・グルスガンマモン覚醒前の真っ黒目のガンマモン、あーはいはい怖いでちゅね。そこまでの過程が無茶苦茶なので白けるわ。

それはそれとして、可愛らしいデザインのガンマモンをあれだけ発狂顔芸できるように作ってあること自体は評価ポイントです。(※グルスガンマモンの存在は作品発表前からの既定路線なので、ガンマモンの顔芸も事前にデザインされていたはずだと推測します。)

 

・「人狩リ」ってタイトル、雑じゃないですかね? 間違いじゃないですけど、オボロモンどもの本質や今回の事件の本質が「人を狩ること」かって言われると違う気がします。

第29話「妖花粉」なんかも「それ事件の本質じゃねえだろ」とは思いますが、後から聞けば「ああ、花粉でデパート内に閉じ込められた回ね……」とどの話のことか思い出せるネーミングだとは思います。「人狩リ」は……今回の話を人狩りだと呼ぶなら他にも人狩りだと呼べそうな回がちらほらある気がするので、脳内での検索性が悪いサブタイトルですね……。