灰色の本

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『デジモンゴーストゲーム』第49話「真紅ノ収穫祭」:感想

 『デジモンゴーストゲーム』第49話「真紅ノ収穫祭」の感想です。  

パンプモンを出すというノルマはこなしたが、それ以外はいつもの虚無回。

 

 

■パシリリバイバル

確かに……確かに「カボチャ出せ」って言いましたよ。正確には『第4話「人形ノ館」パンプモンはハロウィンの時期になったらまた遊びに来るみたいなこと言ってたからハロウィン回にちゃんとパンプモンが出るかどうかで『ゴーストゲーム』の態度が試される』、って言い方でしたけど、まあカボチャ野郎出せって意味で良いですよ。

 

カボチャ野郎出すために、一年前のハロウィン回と同じ公民館を舞台にするってのも分からなくはない。似た舞台を整えるのは分かる。

 

だからって、パシリリバイバルをやってどうする。

普段から自分の仕事も忙しく、残念ながらパシリ害獣のルリにパシられまくっている先輩が「ちょっと人使いが荒すぎません?」と珍しく直球でこぼすほどこき使われているってどういうことだ。

「ホンモノヒロ探しで忙しい」と主張しているエスピモンが手伝いをしているのはどういうことだよ。

パシラレ人数とその描写を見ると第4話よりもパシリが酷いんだがどういうことだ。

 

いや……うん……。その後で全員が仮装してる=全員が楽しんでいる描写が入ったのは、第4話より改善された点ですけどね……。一応その描写があれば、一応、一応、全員同意で働いてるんだなって分かりますし……。むしろ、今回だけ見れば「ルリがパシった」という証拠はないようにも見受けられますし……。

 

でもパシってるよね。

 

第4話でルリがヒロ相手に同じ舞台で同じパシリをしていたこと、常日頃からルリが他人を好き勝手にパシり倒していることを踏まえると、今回はパシリしてないなんて考えるのは難しいですよね。

 

パシリですよね。俺は第4話のルリのパシリから『ゴーストゲーム』をどんどん(真っ当には)楽しめなくなっていったんだ。それまでの3話もモニョるシーンがなかったわけじゃないけど基本楽しかったんだ。「第4話で酷いと思ったあと、後続の回で立て直さなかった」のだから第4話だけが悪いわけではないけど、それでも第4話が崩壊の引き金を引いたのは間違いない。

 

カボチャ野郎、出せって言ったよ?

けど、反省するどころか被害範囲が拡大して凶悪になってるようなパシリの再演まで見せろとは言ってませんね。

 

そもそもぶっちゃけ……公民館の再登場、今回の話に関係ないよね……。無駄に公民館が再登場したせいでパシリを見せられただけだったよ……

 

下記に第4話の恨みの記事を貼っておきます。まだ希望を持っているのが分かる筆致ですけど指摘してる内容が今とそんなに変わってない。『ゴーストゲーム』は一貫して最初からこうだ、ってことですね。

haiironohon.hatenablog.com

 

 

■発想はグロテスクなのに描写の力不足で怖くない

今回の怪奇は、魔女によって魔女の仮装をしたものは魔女に、そうでないものはネズミに変えられてしまうというものでした。

特に魔女に変化させられるほうは、魔女が呪文を唱えると胸元から目玉のようなものが飛び出して対象者の口に飛び込み、肉体も人格も変えてしまうというグロテスクなものでした。

 

グロテスクなだけで怖くねえ。

 

だ、だってですねえ。

口に飛び込んでくるんですよ? 逃げるだろ。口を閉じるだろ。それでもこじ開けて入ってくるなら、暴れるだろ。なんで棒立ちなんだよ。

被害者側のそういう描写がされていないので、発想はとんでもなくグロテスクなのにちっとも怖くないという、首をフクロウのごとく傾げる絵面になっていました。

 

 

■ネズミにされた被害者を人間と分かっていないかのような雑な対応

「シオリさんたちが、ネズミになった!?」

ヒロ、呑気に驚いてますけど、一番に考えなきゃいけないのはそのシオリさんたちが猫に食われないかどうかですよ。そんなに悠長に驚いてる場合じゃねーし悠長に棒立ちしてネズミとネコの追いかけっこを見守ってる場合じゃねーだろと思いました。

実際、後の描写を見ると、ネズミに変えられた被害者がご丁寧にSEつきでネコに丸呑みにされてますよね。たまたま無事だったから良かったものの、対処が遅いです。いい加減、怪異への対処慣れしてくれ。メンタルのほうは最初っから恐怖無しで怪異無視の自他人命軽視メンタルのくせに。

 

んで、その「ネズミに変えられた被害者がご丁寧にSEつきでネコに丸呑み」にされるシーンですが、ルリの反応が「つまり人間が殺された」っていう顔じゃないのにも引きますね。作中で描写された被害者は丸呑みだったおかげで最後には吐き出されて助かったようですが、あの時点のルリの立場からはそんなこと分かるわけないんですよ。

『作中で描写されてない範囲』でネズミに(丸呑みじゃなくて)咀嚼されて死んだ人間がゼロかどうかは分からないですしね。

人が死ぬ可能性、ほんとに分かってないんだろうか。人が死んでるのは分かってる(可能性を推測出来てる)けどそこに心を動かさないサイコパス精神なだけだろうか。どちらでも引きますね。

 

脱線ですが、人間ばかりが死なずに済むこともずっっと批判してます。死ななくて済む理由付けが雑なパターンはまだマシなほうで、ろくな理由すら無しに人間だけ助かることも多いです。一方で、怪異の被害に遭って死ぬような目に遭ったデジモンはだいたいそのまま死にます。メタレベルから(制作スタッフから)の人間とデジモンの扱いが違いすぎる。制作スタッフは人間は基本殺しちゃダメだと思ってるのに、デジモンなら一山いくらで殺しても良いと思ってる。差別思想か?

 

 

■パンプモンの出しかたも雑な虚無回

あとなんかもう言及すんのめんどくさいな。

パシリリバイバルという負の特大ベクトルを除けば虚無回だった。

 

パンプモンの出し方が雑なのもだるいですね。ピンチに駆け付けてきてくれたら友情ですか。はあ、そうですか。もっと地に足のついた友情を大事にしたらどうすか。

んで、パンプモンがあっさりやられる展開なのも雑です。というかあの流れだとパンプモンが出てきた意味が感じられないのが……。一応作劇意図としてはガンマモンのカノーヴァイスモン進化の隙を稼いだってことになるのでしょうが、なんかパンプモンの攻撃とカノーヴァイスモンの進化のタイミングに断裂がありませんでした?

正直パンプモンじゃなくても全然良い内容の出番というのも、とてもしょっぱい……。パンプモンが子供であるとか友達が欲しいとか、そういう個人の人格の話は何もありませんでしたし、技の使い方も正直他の技で代用できそうなものですし。ウィッチモンを脅すのも「そんなキャラだっけ?」でした。

 

 

■漆黒の覇王について

勘弁してくれ。言及がマジでだるい。

グルスガンマモン関連はもうとっくに全部茶番なんだよ。

それにこれ、「漆黒の覇王」という名前が出てきたことでなんか進展した感を出してるけど、一時期『ゴーストゲーム』制作スタッフの中で流行ってた「ガンマモンお前は何者なんだ」シリーズと一緒で、情報が何も進んでないんだよ。

クソどうでもいいけど「漆黒の覇王」鬼ダサい。

 

あといかにも話を動かす役みたいな触れ込みでエスピモン出しといて、のんべんだらりと何もさせず、エスピモンとは全然無関係に話を動かすってなんなんでしょうか。

 

 

■そのほか

・細かすぎるツッコミですが、

「これが……ハロウィンで高まった魔力……!」

このセリフを言えるのは、高まってない通常状態の魔力を知っている場合だけのよーな気がします……。まあ、説明セリフということで。

 

エスピモンが今回も空気だし、今回も何故か説明なしでついてきてつるんでいます。何のためのキャラだよ。