灰色の本

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『デジモンゴーストゲーム』もう先輩が主役やったほうが良いんじゃないかなって話

デジモンゴーストゲーム』の感想です。

もう先輩が主役やったほうが良いんじゃねえかなあ、っていうぐだぐだした話です。

第12話「不幸ノ手紙」までの内容を踏まえています。

 

 

※この記事は初見当時に他媒体で書いた感想を元に、後から再構築したものです。

 

 

■今回のお題:先輩のほうが主人公ぽいという話

あんま先輩&ジェリーモン贔屓(だからヒロとルリをけなしている)だと思われたくないから、この話はすっげーーーー微妙なんですけどね……。けどねえ……。

 

先輩とジェリーモン。こいつらのほうがよっぽど主人公してるから、もうヒロとガンマモンはどっかに帰ってくれないかな……。

先輩はもっと尊敬or尊重してくれる仲間が探せばきっといると思うんですよ……。

 

能力的には有能だし、

適度にポンコツで隙があって、

ビビリなのでホラー展開に怯えもしてくれて、

ビビリなのでちゃんと自分の命や身の安全も大事にしてくれて、

エキセントリックだけど作中では常識人なほうで、

ビビリで心配屋なぶん周囲を気遣う世話焼き気質。

覚醒したら自信満々で格好良いし、

責任感と正義感があって、

「お前は寮長だろ!」とハッパかけられたら

うっかりみんなのために危険に突撃もしちゃう。

怖いのに。

めちゃくちゃ怖がりなくせに頑張っちゃう。

 

先輩が主人公で良いじゃんもう。

まあちょっと、等身大なキャラではない(マンガチックすぎるきらい)はあるけどさ。

ほんと先輩は、もっと尊敬or尊重してくれる仲間がきっとどこかにいると思うんですよ……。

 

 

■メンバーの『知性枠』

ビビりってだけで先輩の有能さがわからずにひたすら軽んじてるヒロ、人の心がない方向で頭が良くないから、知性枠みたいな顔するのやめてほしいっす。どう考えても知性枠は先輩なんすよね。

別に、ヒロの頭の良さ(機転)と先輩の頭の良さ(分析と既存知識の多さ)は別物です。だから本来、キャラを食い合うこともなく並存できるはずです。

なんだけど、『ヒロ側が先輩を軽んじていて先輩の意見をあまり聞いてない』という一点だけで並存できなくなってる。なら消えるのはお前のほうじゃないんですかねヒロさん……

 

 

■ヒロが知性枠でないと考えた場合に残るのは?

先輩を知性枠と考えると、まあ定番で考えればヒロは勇気枠や意志力枠になります。

ですが、ヒロと先輩は長期的な目的の欠如という意味では差がないです。

で、先輩には『寮長として』という謎の意志力とそこからの勇気力があるので、勇気・意志力枠としてもヒロに勝ってしまうんです。

ヒロが先輩に勝てるものがない。

これは先輩が優れすぎてるんじゃなくて、ヒロがろくに描写されてないせいです。意志の強さとか、ヒロ自身の願い、目的が描かれてない。

 

 

 

■寮長の権威、と呼ばれる不動の意志力

「世界を救いたいんじゃなくて寮長の権威が大事なんかい」っていう落とし方も主人公枠でやっても問題ない落とし方なんですよね。だって先輩はジェリーモンに「寮長なんだから世界ぐらい救えさー!」って宥めすかされたら世界救ってくれるでしょ。

ヒロは世界や他人を救う気も特にないのに、先輩をけなす権利はねえんですよ。

 

あの「寮長の威厳を取り戻す!」のシーン、ヒロが「そっちですか!?」ってツッコむ権利はないとまじめに思います。別にヒロは他人や町や世界を救いたいと並々ならぬ決意で行動してるわけじゃなくて、ずっと流されてるだけなんですから。流されてるだけであれだけ動けるのは凄いちゃ凄いけど、恐怖の感情が欠落してるからっていう理由も大きいです。

別に良いじゃん、寮長の権威のためだって……。先輩はめちゃ怖いのにヒロよりよほど意欲的に行動してるよ……? 寮長の権威っつったってそれで威張り散らしてるわけでもないし(舐められてるぐらいだし)、本人の内心ぐらい好きにさせてやりなさいよ。

少なくとも意志力がないヒロには文句言う権利ねえんですよ……。

 

ちなみにヒロさん、お前の友人のチャラ男はときどき『女のため』という有害な理由で有害行動してますよ。そっちには文句言わないんですかね。

エゴいが無害な理由で有益な行動してる他人(先輩)に、自分が何をしたいという目的すら持たない怠惰な安全圏から小さい石を投げてるんじゃないよ、ダサいんですよ。

 

あのシーン、場面の流れ的にも、今までの主人公先輩間の関係(行動を共にしてるだけで友好度の蓄積がほぼゼロ)から考えても『仲良いじゃれあいツッコミ』にあんまり見えないというのが厳しいです。

他人にそういうこと言う? いや、言う人もいるだろうけど、へえ、ヒロって『そういうこと言う人』なんだ、へえ。別に良いけど、ばりばりにあげつらうほどの言葉ではないんだけど、へえ、そういう人なんだ、へえ。まあ知ってたけど、へえ。そういう感じ。

 

 

■結局のところの問題は

過去記事でも何度も言ってるとおりです。

・先輩やジェリーモンについてはよく描き込まれており、心情や動機が比較的分かりやすい。先輩はビビリなぶん、ホラー現象に驚いたり怯えたりもしてくれる。

・ヒロ(やその他)については描写がずっと浅い。人間らしい心すらあまり感じられない描写がある。動機も目的も分からない。なのに犯罪はする。ホラー現象にもあんまり怯えてくれない。

 

先輩が主役やったほうが良いんじゃない? というよりは、ヒロがとにかくキャラが薄いし共感できないことばっかする。です。