灰色の本

アニメ他の創作作品の感想とか。更新がある日は、22:00に予約投稿します。

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『デジモンゴーストゲーム』OP映像の情報量が少ないんじゃないかという話

デジモンゴーストゲーム』のオープニング映像の話です。

気になったのでシリーズの過去作二本のオープニング映像との比較もしました。引用している映像はすべて公式チャンネルからのものです。

 

※もともと第15話までの感想記事は、他媒体(別名義ツイッターと紙日記)に書いていたものを元にまとめなおしたものです。まとめなおす作業の際に、最初から第15話までの全話を見直しました。なので第15話まで再視聴して、改めて思ったことでも書こうかと思ったんですけど……今までの記事で全く触れてない観点を探して整理すると、OP映像の話しかほぼ残りませんでした。そんな経緯の記事です。

 

 

オープニング曲はやっぱ好き。ずっと好き。ノリが良くてずっと聞いてられる。エンディングは曲も絵も本編の内容に合ってない気がするからほぼ飛ばしてるけど、オープニングは再視聴でも毎回かけてる。オープニング映像もなんだかだよく見てる。

オープニング映像、短い尺の中にホラー展開が特盛りのめじろおしで好きです。が、再視聴いていて、アニメOPによくある『先の展開がこっそり織り込まれている』みたいな要素が殆ど無いことに気づきました。

よくよく見てみれば、このOP映像、あんまりアニメ本編の内容についての情報量がないんですよね。ちょっと、OPから本編について分かることをあげてみましょうか。

 

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・メインの人間&デジモンの六人。+その六人のパートナーの組み合わせ。

・茶髪の男の子と、白いちっこいデジモンが主人公組っぽそう。

・ルリがピアノを弾いている。

・先輩は怯え顔が多い。→臆病者キャラという推測は立つ。

・スマートウォッチっぽいデバイスを全員がつけていること。

デジモンメンバーの全進化形態(一段先まで)。

・北斗(ヒロ父)の存在。

・疑似デジタルワールド化。

・ガンマモンの暗黒進化(グルスガンマモン)のにおわせ。

 

進化形態の情報を除けば、第5話のジェリーモン登場までに出揃う情報です。

世界観として重要な土台のホログラム技術の描写はありません。(0:30ごろからいるウサギキャラがホログラムだと思われますが、この映像からホログラムと理解しろというのは厳しいと思います。)

あと、ヒロとルリの性格はほぼ分かりません。明確にこう、という感じではない。

 

個人的には特に、これから戦う敵デジモンの存在を示すものがないのが気になりますね。直近で戦うボス情報や、ラスボス情報のにおわせがないのです。まあ2クール途中まで来てもそんなボスっぽい奴が本編に出てないのはそうなのですが……フェレスモンぐらいかな、後々に大ボスとして再登場できそうな可能性がある奴って。でもフェレスモンも今のところは一発屋です。ついでに言えばやってることが割と小物だし。

正確には既に登場済みの敵デジモンっぽいシルエット(マミーモンとか)は出ています。ですが、映像に出ているシルエットが全部出演予定のキャラであるという意図ではなさそうに見えますし、重要キャラであるという演出でもありません。

代わりにグルスガンマモンが敵みたいなツラでシルエット登場(動画の1:19ぐらい)していますね。

 

ラージャンルの素養がないので全く分からないのですが、このオープニング映像は有名なホラーのパロディ要素がふんだんに詰め込まれているそうです。元ネタは分からないですし探しても(一部の元ネタだけの解説ならともかく)全部の元ネタを解説している人は見つけられなかったんですが、取り組みは面白いと思います。

けどそれってまさか、本編の内容をろくに決めてなかったからホラーパロディで埋めるしかなかった、ってことではないですよね?

 

『ガンマモンのグルスガンマモンへの進化』とそれに対する葛藤という、2クールに入ってからの展開が最初から規定コースだったことは読み取れます。それ以外の情報量が薄くないですか? こんなもんなんですかね?

 

ヒロとルリがどんなキャラなのか全くつかめないのも気になります。最初に設定を立てる段階からはっきりしてなかったから、OP映像でも本編でもよく分かんないんじゃないですか?

アンゴラモンさんとジェリーモンさんもキャラがよく分からないけど、OP映像に出番自体が少ないから仕方ないかな……。ガンマモンは尺が長めで顔が大きめに映るカットにも恵まれたのでどういう子かなんとなく分かる気がします。

 

 

気になったのでシリーズの他のOPの情報量と比較。

公式で動画がアップされているもの、かつ古いのと新しいのという基準で選んだらどっちもデジモンアドベンチャーのOP映像になってしまいました。デジモンアドベンチャーについては自分はある程度知っていますが、あくまで『OP映像からどこまで情報を得られるか』という観点で書きます。

 

デジモンアドベンチャー(無印)OP映像

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・主要メンバーが人間7人+デジモン7人。人間&デジモンの組み合わせは基本形態ではなくて進化形態で表されているため若干分かりづらいが、整理して追えば分かる

・いろいろなロケーションが存在する(いろいろな場所を旅する?)

・基本的な舞台は島? そこに落下する?

・魔の手を伸ばす敵ボスのシルエット

・重要ガジェット(デジヴァイス)の存在

デジモンが進化すること、その進化形態(基本形態も合わせて合計で三段ぐらい)

・いろんなデジモンと戦う、または出会う

・人間の性格も、表情が分かるカットがしばしばあるのでなんとなく分かる。加えてキャラデザ(服装)の時点である程度キャラが出ている

 

 

デジモンアドベンチャー: OP映像

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・ゴーグルかけた青い服の男の子(太一)が主人公

・黄色い怪獣ぽいデジモンアグモン)がその主人公とパートナーであること

・人間&デジモンの7組の仲間がいる。つまり全部で8組の冒険である。

アグモンの進化形態(四段階。オメガモンがアグモンの進化形態なのかはOPからは分からないので数に入れない)

・他のデジモンの5人分の進化形態(二段階)※テイルモンとパタモンの進化形態はOPからは分からない

・太一とアグモンはとても仲がいいこと

・太一とアグモンは快活そうな、冒険好きそうなキャラであること

・太一とアグモンは背中を預け合って困難(バトル?)に立ち向かうこと

アグモンはパートナーである太一の感情によってor感情に応えて羽が生える? =更に強くなる?

・バトル要素がある

 

 

無印OPのほうは情報量が多い印象ですね。デジモンがメインだけで7種類×3形態、それ以外にも敵デジモンっぽいのがわらわら出ているのが大きいかな。あとはやっぱり、いかにも大ボスっぽいシルエットが入ってるので「こいつをぶっ倒せば良いんだな?」感があります。

:OPのほうは、無印OPと比較すると敵も出てないし情報が少なめという印象は受けるんですが、これは太一とアグモンの二人を描くことに重きを置いているからですね。太一とアグモンの絆の強さや、元気で冒険好きなのだろうキャラ性はとても良く表現されています。良くも悪くも情報が多くて雑然とわいわいしている無印にOP対して、内容を絞っているけどそのぶん特定の内容(太一とアグモン)に特化しており描写が濃いのが:OPというイメージです。

 

無印OPと:OPが本編と照らしてどうなのかというところにまでは踏み込みませんが、二作でOPの制作方針が違うと言えど、どちらもそれなりに情報量が多いと思います。

 

比較すると、やはり『ゴーストゲーム』はOP映像を見て得られる情報量が少ない気がします。

うーん……キャラかな。やっぱり、キャラを見て得られる情報が少ないです。無印OPと:OPがどのキャラを見せるかという比重は違えどキャラにきっちり『らしい』表情をさせてキャラを印象付けているのに対し、ゴーストゲームは表情からキャラがよく分かりません。比較して見てしまうと、ヒロルリだけでなく先輩すら及第点を取れていない気がします。ガンマモンぐらいだよ及第点以上なのは。

 

これは、メンバー、特にヒロルリの性格設定を詰めずに進めてきてしまったからOP映像でも作中でもあんまり表情演技ができないってことなんですかね。

それとももう、ここまで来ると故意なんでしょうか。ヒロルリはそこまで感情表現が豊かではないというのが公式設定?(ルリは感情表現が乏しいとまでは思いませんが)

うん……故意だというならそれはそれで認めるけど、個人的にはそこが故意の設定なんだったらそりゃあ設定時点で失敗なんじゃないかなあ……。マンガチックじゃない等身大の性格設定をやりたいにしてもちょっとこう感情表現少なすぎる気がするし、隣でひたすらマンガチックな先輩が限凸してるんだよなあ。

 

あとは無印OPと:OPの「とりあえず技をガンガン撃ってるバトルシーン」はやっぱり見てて満足感がありますね。その観点でも『ゴーストゲーム』は弱いんですけど、これは制作スタッフの故意なら仕方ないと思います。『ゴーストゲーム』はバトルはあるけどバトルで敵をぶっ飛ばすのがメインではないのでOPでは強調しなかった、と言われればそれはそれで正しいので。

でもちょっと、他OPと比較して見てしまうと、ガンマモンアンゴラモンジェリーモンが共闘しながらばんばん技を繰り出すシーンがないのが残念ですけど。

 

 

やっぱヒロルリのキャラが薄くて表情表現も薄口になりがちなのがよろしくないっていう、いつもの結論になるのかな~……。