『デリシャスパーティ♡プリキュア』第13話「うばわれた思い出を守れ! 明かされる拓海のヒミツ」:感想②
『デリシャスパーティ♡プリキュア』第13話「うばわれた思い出を守れ! 明かされる拓海のヒミツ」の感想②です。
長くなったので記事を①②に分割しています。
■期待できるナルシストルーと、不明瞭な『思い出を奪う』設定
ナルシストルー、今のところ結構好きです。自分がしっかり悪役だと認識して、楽しそうに悪役ムーブしてくれるので。戦いがいがありますよね、こういう敵キャラ。
プリキュア面子には「あー残念なイケメンー」「操られてんのかなー」と残念な扱いをされてるのも、一方で洗脳も機械開発も暗躍もできちゃう有能だと思われるところも好き。
ジェントルーがウバウゾーを生み出すときは「ブンブンドルドル、ブンドルー!」とかっこよかったのに、ナルシストルーは「トルルン! トルルン! ブンドルー!」とちょっと間抜けな響きなのも好き。(笑)
ただ、『レシピッピを奪うことで料理に関する思い出を奪う』という能力についてはよく分かりませんでした。
ってか、レシピッピは料理の『味』に紐づいているわけじゃなかったんだ。まあ確かに料理に「美味しい~」って言ってるところに後からぽわぽわ湧いてくるレシピッピと『その料理の味』が紐づいてると考えるのも不思議でしたが。
レシピッピ(=料理の概念)を奪うと『味』がおかしくなる、というのは余計なファクターがなくてシンプルで分かりやすい設定だったと思うんですよ。
料理にはそりゃ、味は絶対に有りますよね。そりゃみんな、どちらかと言えばだいたいの人は不味いものより美味しいもののほうが食べたいですよね。美味しければ幸せ、まあそうですよね、美味しくないよりは美味しいほうが幸せですし、美味しいからって悩みがなくなるわけじゃないけどまあ瞬間的には幸せですよね。「ごはん(料理)は笑顔」というのはつまり、「料理は美味しい」「美味しいと笑顔」「だからごはん(料理)は笑顔」という三段論法です。
『味がおかしくなる(※作中では「おかしくなる」と常にボカされているが、つまり「不味くなる」ということ)』のは、イコール幸福を脅かす危機。分かる。
でも『思い出』って? それは……『味』ほどには普遍的な話じゃないと思うんですけど。
とりあえずこれからも基本的には料理屋に出るレシピッピを襲撃すると仮定します。
料理屋の料理に対する『思い出』って、その料理屋のリピーターじゃないと持ちえない……ですよね。
「この料理に思い出があるからわざわざ来ました」……も、おいしーなタウンの人々からするとメイン層ではないのではないでしょうか。多分おいしーなタウンの和洋中のストリートの料理店って、観光客向けよりはおいしーなタウン住まいの人向けのイメージが勝手にあるんですが……それともあそこって観光街なんですかね。
思い出がなかろうとご飯は食べますよね。味がおかしくなる=不味くなる(※作中ではこの言葉は避けられていますが話の流れ上はっきり言います)のは料理店からすると死活問題ですが、思い出が消えるのは料理店にとっては特にピンチでもなんでもないような気がします。
というか、まあこれは作中では『良い思い出』しか扱わなければ良い話なのでどうでも良いとは思うんですが、『料理への思い出』って必ずしも良いものばかりじゃなくないですか?
うーん……いまいち、面白く転がるイメージが沸かない設定だなあと思いました。いや、確かに、毎回「それは消えられると困る、悲しい」といった『思い出』をばんばん出せるならエモい展開はしやすいかもしれませんが、それって……料理の話というより、料理にまつわる人間模様の話じゃないですかねえ。料理そのものからは離れていってしまうような気がするんですが。うーん?
今後上手く活かされるんでしょうか。保留です。
ただ、ブンドル団とそのトップであるゴーダッツ様も基本的には「料理は好き」という前提らしく進んでいた中で、ナルシストルーが「(思い出を奪う理由をゆいに問われて)楽しそうに料理を食べるやつらを見ると、なんかムカつくんだよね」という思考の持ち主であることは興味深いです。
■ジェントルーはお休み
拓海がメインの回なのは知っていましたが、ジェントルー=生徒会長にノータッチで進むのにはびっくりしました。『デリシャスパーティ♡プリキュア』は複数の要素を上手く1話に入れ込んで並行で動かすのが得意なので、今回も拓海回と言いつつ生徒会長のその後についてももう少し何か触れると思っていたからです。
今回は生徒会長の話がなくても拓海に集中してきっちり1話のボリュームを仕上げてきたので、成功だったと思います。
しかし次回も拓海回のようですが、生徒会長を2週も放っておいて大丈夫でしょうか? それとも来週は生徒会長の話に触れるかな? 少なくとも、視聴者が細かいことを忘れたり「え、今さらその話……?」にならないようにリマインドは細かく入れてほしいですね。
■(俗語で言う)コミュ障を返上したここね?
今回第13話自体には関係ないんですけど、ここね&らんの(俗語で言ういわゆる)『コミュ障』はなりを潜めてますね。仲間になってからいつまでもコミュ障状態でも困るのでそりゃあ、だんだんとフェードアウトしていかなきゃいけない要素なのですが。
らんのアッパーコミュ障は第9話(ここね&らんの喧嘩回)で描かれただけなので良いのですが、ここねは個人回をまるまる使ってコミュ障的なキャラ付けを描いています。個人回から考えると『コミュ障からのなんらかの脱出』がここねの成長テーマのようには思われるのですね。ここねのコミュ障キャラ設定が消えていってしまったら、ここねの今後の個人回の内容に困らないでしょうか? 家のことを深掘りしてみたり、学校で『高嶺の花』扱いされていることを改めて語りなおしてみたりとやれることはありそうですが……。
ただの優しいおねえさんなここねちゃんも可愛くて大人びてて好きなんだけどさ。
■そのほか
・生徒会長の双子のお兄さん、片方は普通のセリフ回しのお兄さんなのに片方は堅苦しい口調で「あまねには命に替えてでも伝えておく」とか言い出してなんかやたら濃いのは何。(笑)
・思い出のしらす丼。思い出の料理のチョイスが渋い。(笑)
・ジェントルー=生徒会長は土地勘があるから利用してただけだったんかい! 案外に雑な扱いで笑います。食べ歩きしてて街の料理屋に詳しいらんちゃんがダイレクトに狙われなくて良かったね……。逆に言えば、食べ歩きしてて街の料理屋に詳しいらんちゃんみたいな子を狙いなさいよ……(苦笑)。
生徒会長が初期プリキュアとして加入して、らんちゃんが初期幹部→洗脳解除されて追加プリキュアとして加入する世界線の『デリシャスパーティ♡プリキュア』もあったかもしれない。(笑)
・セクレトルー。「……っていうか、(嫌味発言)」だけでキャラが濃い、素敵なお方。好き。(笑)
セクレトルーとナルシストルーの上下関係がいまいち分かりませんが、とりあえず嫌味は言うんですね。まあ元々セクレトルーのあれは、陰口(聞こえないように言っている)ですからね。好き。
・どうでも良いっちゃ良いんですが、『デリシャスパーティ♡プリキュア』はマリちゃんにもバンクがある作品なんですよね(デリシャスフィールド展開)。
拓海くんも何かのバンクを貰えるかな? 変身……はせずに自分で着替える方向性のようですが。
・相変わらず戦闘のコミカルさは良いですね。ヤムヤムが単体技を単発で撃って避けられた→避けられないほど撃ちまくってぶち当てた、の流れは連発中のヤムヤムの動き(遠景で小さいキャラがしゃかしゃか動いてる)のシュールさも含めて笑いました。根性バカなのに頭が良い。(笑)
ヤムヤムが墜落させる→スパイシーがすかさず追撃して拘束→電子レンジ型ウバウゾーの『怒らせるたびにパワーアップ(過熱して「チーン♪」と鳴る)』の特性で拘束解除という全体の流れもスムーズかつそれぞれの能力を生かして戦っていて良かったです。
ただ、今回は拓海の援護を見せるのが目的であるため、戦闘自体は薄味でしたね。