灰色の本

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『デジモンゴーストゲーム』第10話「死ノ遊戯」:振り返り感想②

デジモンゴーストゲーム』第10話「死ノ遊戯」の感想②です。

記事が長くなったので、2本に分割しました。

感想②は第10話の先輩とジェリーモン周りの描写についてです。

 

※この記事は初見当時に他媒体で書いた感想を元に、後から再構築したものです。

 

 

 

■公式クズなはずなのに株が上がり続けるジェリーモン

ジェリーモンがとても良い。

いやほんと、何故かジェリーモンと先輩の描写だけはまじめにやってるからジェリーモンと先輩の絆だけはばかすか上がっていく。どういうことだよ。

「お前は先輩とジェリーモンが好きだからヒロとルリを悪く言ってるだけなんじゃねえの?」って思われたら困るんですけど、仕方ないじゃん。見せ場自体は多いはずのヒロとルリは一向に共感できる描写がまともにないのに、先輩とジェリーモンはまともに絆の描写があるんだもん。

いや正直、他のアニメと比べたら先輩とジェリーモンの絆描写もそんなに凄いものではないかもしれない、まあ普通のぼちぼち程度かもしれないなあとは思いますよ?

ヒロ組とルリ組はそんな普通の絆描写すらしてねえように自分には見えるんだもん。比較して先輩組に感情移入しちゃうのは仕方ないじゃん。

 

格ゲーの中にジェリーモンが飛び込んで先輩のプレイとリンクする描写がよく分からんのは、『ゴーストゲーム』は割とそのへん「考えるな感じろ」系の作品なので個人的にはオッケーです。

先輩と一緒だと力が出せちゃうジェリーモン、ベッタベタだしご都合主義かもしれないけど個人的にはなかなか好きです。アンゴラモンの「二人はゲームを通じて実力をはるかに超えた力が出ているみたいだ」という台詞は説明臭すぎるので要らなかったかなとは思うけど! その台詞がなくてもその後の展開で十分伝わるんですよね。

 

>ダーリン! 早く起きるのさ!

>起きないと、ダーリンのあれもこれも全部捨ててやるのさ!

>右手の秘密も世界中にバラしてやるさ!

>ミーたちはゲームだから強かったんじゃない!

>2人だから強かったさ!

泣きながらこれを言ってくれるジェリーモンは、本当に先輩のことが大好きなんですね。そして本当に、先輩の実力、そして先輩自身を信頼しているんですね。先輩本人が気絶してるとき(聞こえてるかどうかはっきりしないようなとき)しか素直に言えないのかもしれませんが。

起きないと、ダーリンのあれもこれも全部捨ててやるのさ! 右手の秘密も世界中にバラしてやるさ!」というのはいかにもジェリーモンがやりそうな悪戯(悪行)ではありますが、あくまで先輩にハッパをかけるための言葉であって、(この場面の限りでは)本気でそういうことをやるという言葉ではないのがポイントです。

先輩の弱点を把握してはいる。でもそれを本当に脅すためではなくて、ハッパをかけるために言う。いじらしいし、相棒としても最高じゃないですか。まあこの子の場合はどっかの回で本当にやらかしかねないのでちょっと油断がなりませんが。

 

 

■完璧な限凸シーン

そこからの電撃で先輩を起こす→先輩の覚醒モード(限凸モード)突入は何もかも演出がばっちりです。

 

うつむく先輩の絶妙な間、

謎の光演出と共に顔を向けた先輩の凛々しい表情、

完璧なBGMの入り、

先輩がジェリーモンを呼び捨て、

二人で声を揃えて「限界突破! 限凸!」!

初のテスラジェリーモン進化達成です!

 

いやあグッと来ました、バディものに自分が欲しているものだあ。

こういうのが見たかったんですよ。

 

先輩を電撃で起こして以降のシーンは、台詞が少なくて演出で全部見せてるのも良いですね。

普段『ゴーストゲーム』には「それを台詞で言えよ……」と思うことのほうが多いんですけど、それは『必要な説明なのに台詞も演出もどちらもなし。シーンごとカットされてて視聴者の補完に任されている』ことがやたら多いからです。

このシーンは演出でちゃんと全部表現されており、台詞で言うと説明臭くてヤボなところだったので、台詞が少なくて良かったです。

 

あとは限凸後のバトルがもっと手数が多くて見ごたえあるか、もっとフィサリストが「一撃必殺!」を強調した派手な演出だともっと良かったかな。でも多くを言うのは望みすぎでしょう。バトル、良かったです。

先輩&ジェリーモンの担当回(今回と第5話)は二度とも戦闘終了が明確で、見終わってすっきりするのが良いですね。

 

 

■そのほか

・先輩はアニメ漫画だけではなくゲームにも強い&明るいようですね。知識の広さも深さも兼ね備えたタイプのオタクであるようです。

・「ユーは寮長さ!」って言えばすぐやる気を出してビビリながらも頑張ってくれる先輩、脚本的に使いやすい(笑)

・第10話感想①でいろいろ述べた通り、第10話の全体を見ると問題が山積みです。けれど先輩とジェリーモンに絞ってみれば、神回とまでは言わないものの良回でした。