灰色の本

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『デジモンゴーストゲーム』第28話「顔取リ」:感想①

デジモンゴーストゲーム』第28話「顔取リ」の感想①です。

面白いところがなかったわけでもないのに、前回第27話以上に虚無。

 

 

長くなったので記事を①②に分割しています。こんな虚無回に記事を分割するほどの分量のテキストを書くな、自分よ。嗚呼。

■特に言うことがなくて感想に困る回

正直、面白いところはあったんですけど……話が進むわけでも無し、キャラの深掘りがされるわけでもなしで、「面白いところがあったからって、だから何?」という感触でした。

前回第27話の感想で「飛びぬけて悪いわけでもないけど面白くもなりきらず、淡白につまらない」と言ったんですけど、今回は下手に面白い部分があったから逆に「つまらない」とさえ言えなくて言うことに困る(※)というか……なんか、視聴後に振り返った感想が前回第27話以上に『虚無』だったんですよね……。

(※)まあ実際には、感想を2分割するほど書いていることから分かる通り、細かいところに着目すれば普通に書くことはあるんですけどね。そういう意味じゃなくて、見終わった直後でまだ煮詰めてない段階の感想が「面白かった」「つまらなかった」「○○が△△だった」じゃなくて「う、うん……」とかのモヤっとした言葉にならない感じだったということです。

 

 

■冒頭からツッコミどころの乱舞すぎる

冒頭からツッコミどころ満載で苦笑いしました。今回第28話が悪いというより以前の回が悪いものも多いかな。

ざっと挙げるだけで、

 

・コタロウが部屋にこもってても放置のヒロ、相変わらずクソドライ人間だなあ。

 

・相変わらずガンマモンはクソガキだなあ。

 

・当然のことのように墓地を近道にするコタロウ&否定的でないヒロ&そこにツッコミを入れずに書く脚本、道徳心がない。これ児童向けアニメだよね?

 

・掃除当番のくだりはカスな状況しか想像できないなあ。

 

アンゴラモンはルリと離れて普通に人生楽しんでるんだよなあ。

 

・墓地初回は「早く帰ろう!」って言ってたのに、その後自分から(ルリに同行を頼み込んでまで)墓地に行こうとする先輩、脚本が「ビビリ先輩を描きたい」と「先輩は寮生のことには真剣だ/先輩を犠牲者にしたい」で分裂してるだろ。

 

これぐらいは思いました。

 

特に、全然相棒と一緒にいなくて個別に人生楽しんでるヒロイン組は見るたびツッコミたくなりますね。お前ら「勝手にどこか行ってる! 外出が多い! 何も言ってくれない!」って、重いカップルみたいなこと言って騒いでませんでしたっけ?

 

あとコタロウの墓地通過の件。

被害に遭ったのは可哀想だけど、「近道だから墓地を通る」はなんかもう自業自得ですからね。それを「寮への近道なんですよ」と否定せずに説明する(=実質容認してる)ヒロのセリフもなんかもう最悪ですね。コタロウが墓地を通ってたっていう説明をしたいなら、「あいつまた近道だからって墓地通ってたな! やめとけって前に言ったのに!」ぐらい言えば良いのに。

 

 

■相変わらず身勝手なルリ

普段は怖いってずっと言ってる先輩を意思も人権も無視して引きずり回してるくせに、先輩が怖いのに頑張って現場に出ようとすると「怖いからついてきてって言ったの誰よ」的な嫌味をいちいちいちいち言うルリ、ほんと何なんでしょうね。

先輩があくまで「ルリ(やヒロ)は怖くない」ということを前提にした依頼・お願いなのに対し、ルリがやっていることは「怖かろうとついてこい」という強制連行なんですが?

 

ルリって本当に、自分の望みがなんでも叶えられるとナチュラルに信じている子ですよね。自分が無茶苦茶な要求をしているとは全く思っていません。なので無茶苦茶な要求に相手が嫌がるとその相手を堂々と非難し、逆に自分が何かを要求されると「普段いろいろと頼みを聞いてもらってるから……」というような融通を利かせるでもなく堂々と嫌味を言います。

さっきは『身勝手』って言いましたけど、なんなんでしょうこの子。『身勝手』という言葉で済ませてはいけない凶悪さだと思います。まだ結果的にやっていることが小さいから目立たないだけで、何かのトリガーがあればいつでも巨悪に化け得る邪悪さだと思います。『身勝手』じゃなくてなんと言えばいいんでしょうか? 『エゴイスティック』とも違う気がします。『傲慢』でも凶悪さの表現が足りない気がします。

というより、ルリの凶悪さの本質は『身勝手』それ自体じゃないと思うんですよね。相手に無茶を言ってる自覚が明らかに薄いところだと思います。……サイコパス、という言葉はバズワード(定義が曖昧で何を言っているか分からない語)なので当てはめたくないところですが……

 

 

■ヒロは「頼られると断らない」ではない

「頼られると断らない」というヒロの特性がメインギミックなのは面白かったんですけど、例によって前提に承服しかねるので渋い顔をします……。

だってヒロ、引き受けるのと断るのとどちらがめんどくさいかで頼みを聞くかどうか決める奴ですよ。「頼られると断らない」わけでは決してないんですよ。ヒロの顔をつけたアシュラモンが「頼られると断らない」になるほどの特性とはあんまり思えません。

 

アンゴラモンが『ヒロ』の顔をつけたアシュラモンに「ヒロなら聞き入れるだろう内容の要求をすれば良い」と考えたことは上手いですよ。アンゴラモンの機転がなかったら詰んでいました。

ただ、「ヒロならその要求を聞き入れるのか?」は腑に落ちませんでした。だって、あの状況のアシュラモンは、アンゴラモンの要求を無視したほうが「めんどくさくなかった」と思うんですよね。

 

「頼られると断らない」を無理にゴリ押すぐらいなら、まだ「弟」「守る」のゴリ押しのほうが納得できた気がします。そっちもここまで大して描き込まれてないので首を傾げはすると思いますけどね。

 

 

■先輩が好きなのか怪しいほどのジェリーモンの狂いっぷり

どうでもいいけどジェリーの情緒どうなってんの? 顔なくしてる先輩、それ実質的に死にかけてるんじゃないの? 泣いて看病するでもなくキレて怪異の原因ぶちのめしに行くでもなく、廃人状態の先輩の顔にラクガキしてるってどういう情緒?

 

ジェリーは「先輩をからかってるけど大好き」で無理矢理バランスを取っているキャラですよ。「先輩を大好き」が疑われるような描写、やってんじゃねえんですよ。

 

中盤でジェリーモンが先輩を置いてどっかに外出してるのも、ビビリの先輩がわざわざジェリーモンがいない=戦力がない状態で墓地に調査に行ってるのもどうかと思います。あんたら、協力し合う気がないんですかね……。先輩とルリをダウンさせるのにアンゴラモンに加えてジェリーモンまでいると戦闘描写が面倒だったとかそういう話なんだと思いますけど、ご都合主義だなあと思います。

 

 

■カード機能を使うのが遅い(2連続2回目)

いやカードの疑似デジタルワールド化機能を有効活用しようとするのが遅すぎでしょ(前回から続いて2回目)。なんですか? そういうとこを気にしてくれるような真っ当なほうのスタッフさんが新しく入ったんですか?

疑似デジタルワールド化機能の有効活用回を今さら2連続でやるの、絶対タイミングがおかしいと思います。14話で手に入れたんだから14~17話ぐらいで集中してやるべきなんじゃないですか?

一応、前回のツッコミも置いておきます。

 

haiironohon.hatenablog.com

 


 

 

■カノーヴァイスモン宣伝ターン終了

カノーヴァイスモンの初敗戦、早かったねー。

一応カノーヴァイスモン自体がやられたという描き方ではなかったけど、カノーヴァイスモンの敗戦こんなに早くてええんですかね。カノーヴァイスモンに花を持たせる意図がないんだったらアンゴラモンの親友たまご回はカノーヴァイスモンに活躍させるんじゃねーよと思います。カノーヴァイスモンは黙ってなさいよ。

 

脚本のせいで個人的なカノーヴァイスモンの好感度の下りようがすごいです。まあガンマモン自体嫌いだけどさ。

ジェリーモンとルリは自分でもまだ可愛げと解釈できるところがあるのでガンマモン(可愛げとして設定されている赤ちゃん要素が全く可愛くない)が一番嫌い……だったんですが、最近害獣ガールズ二人の株が地盤沈下ぎみで、結局この三人で好感度ワーストの奪い合いになってます。

ジェリーは細かく先輩との絆描写がされてて可愛かったんだけど、最近その手の描写がご無沙汰な気がするうえに、悪夢回みたいなの見せられると「こいつパーティに置いてちゃいけない」が強くなりすぎますね。

 

カノーヴァイスモンの進化解除ですが、正直、今後活かされる設定だとは思っていません。ピンチを作りたかっただけのお気楽ご都合一発ネタだと思います。

だって今までも、一発ネタっぽい話が結構ありましたよね。『パートナーは入れ替え可能(その後の続報なし)』とか、『ガンマモンは進化先を選べない(実際には進化先に想定外のものを引いて困ったことはない)』とか『ガンマモンは進化先を選べるようになった(そのあと割とすぐカノーヴァイスモン進化を達成したので進化先を選ぶ旨味自体が消滅した)』とか。

今まで「今後の展開への布石か?」と期待したものが全部一発ネタだったので、もう良いですよ。カノーヴァイスモン進化解除も一発ネタでしょ。こんなのを見せて、何か進んだみたいなツラはしないでほしいですね。