灰色の本

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『デジモンゴーストゲーム』第14話「座敷童」:振り返り感想②

デジモンゴーストゲーム』第14話「座敷童」の感想②です。

長くなったので①②に分割しています。①で死とかそんなかんじの話題について話したので②は残りの細かいことです。

 

※この記事は初見当時に他媒体で書いた感想を元に、後から再構築したものです。

 

 

 

◾︎慰安旅行だ! ←それを口に出して言え

多分今回の旅行は、暗黙の意図として「ガンマモンを元気づけるために温泉へみんなで行く」という目的があるんだと思います。

 

例によってそれを台詞で言ってくれない。

なのに「先輩の学会行きにみんなでついてきた」「座敷童が怖いから先輩がついてきてほしがった」のほうはきっちり台詞で言う。

 

どういうセンスなんだろう。何故、「みんなガンマモンを心配しているんだよ」のほうを台詞で明示的に言ってくれないんです?

先輩のパンツネタやってるヒマがあったら、みんなが心配して見守っていることがわかるセリフのひとつやふたつ入れられたんじゃないですか?

 

ゴーストゲームはシーンの取捨選択のセンスが冷たいと思います。人やデジモンが心を通わせるシーンやセリフをことごとくカットする傾向にある。

 

今回で言えば、今回の旅行がガンマモンを気遣ったものだと誰もはっきり口にしないのもそうですし、ボコモンが死んだことへの悲しみなどの思いを誰もはっきり口にしないのもそうです。ものすごく出し惜しみしますよね。

自分は敢えて脚本家さんの名前は調べないスタンスを取っているのですが、ゴーストゲームだって複数の脚本家さんが回しているのだろうに、ほぼ一貫して冷たいです。

 


……ていうかさ、ほんとにガンマモン慰安旅行なら、バクモン一人ぐらいついでに連れてったげたら良いのに。

美味しいものたらふく食わせて、ボコモン慕って泣くのを延々聞いてやって、温泉に叩き込んでやったらいいのに。デジモンが一人増えたところで旅費なんか大差ないんじゃない? 誰も言い出さなかったのかな。

 


そもそも「ガンマモンを元気づけるために『温泉』に行く」もいまいち納得いきませんけどね。ガンマモンは温泉で喜ぶタイプなんでしょうか。

遊園地とかスポーツができる広い公園にでも行って思いっきり遊ばせて一時期忘れさせてやったほうが元気になりそうなタイプに見えるんですよね。体を動かせば、暴力衝動も少しは発散されると思いますし。

ガンマモン、どっかの山奥にでも連れてって、ひたすら穴を掘ってみるとかひたすら木を切ってみるとかの体を使いまくる遊びをしたら、暴力衝動が満足してグルスガンマモンが寝てくれたりしませんかね?

 

 

◾︎先輩のパンツは良いパンツ(ネタとしては最悪)

先輩のパンツネタは最悪でしたね。『これを面白いと思ってる制作スタッフが最悪』って感じ。

ほんとにくだらねえネタだなっていうのもあるんですけど、そんなことより、『制作スタッフはとりあえず先輩を軽んじておけば笑いが取れると思っている』『先輩はいくらでも無様な笑い者にしていいと思っている』のがはっきり分かるのが最悪ですね。

 

これからいくら制作スタッフが先輩のことも大事にしているよというポーズを見せても「いやお前ら先輩軽んじてるでしょ? 温泉回のときのパンツネタとかパンツネタとかパンツネタとか」って散々言いますからね。

 

今まではなんだかだ「今までの描写を積み重ねると漠然となんとなく先輩を軽んじてるよね……」という歯切れが悪い主張しかできなかったんですけど、今回のことは明確に酷いので、明確に主張の根拠にしますからね。スタッフてめえらこの野郎。

 

 

◾︎久々にホラーが気持ちよく決まる

今回は久々にホラー描写は頑張ってたのでそこは◎。4話以来10話ぶりぐらいに頑張っていました。

題材は座敷童だし話の流れもそう怖くないのに、布団に潜り込んだ先輩の周りを座敷童が駆け回る足音がするというそれだけの描写でしっかり怖いので圧巻です。演出力によるパワー勝ちでした。

 

『ゴーストゲーム』はヒロとルリが人の心が欠落してるので、先輩が怯えてくれないとホラーらしくならないという欠点がありますね。

結局はホラーがちゃんと怖いかどうかって演出次第なんですが、ヒロルリは怯えてくれないというところで演出点が減点になるんです。

 

可哀想だけど先輩はがんがんホラーな目に遭ってほしい。先輩が怯えてくれればくれるだけ、ホラーとして話が締まるから。本当はヒロルリがちゃんと怯え役をまっとうしてほしいんてすけどね、今まで人の心がなくて恐怖心もなかったので、今更急に生えてこないでしょう。

 

 

◾︎地味だが良ゲスト、コエモン

この感想群は、言及しておきたいところから優先的に書いていって→書き足りてないところを埋めて→場合によってはちょっと並び替えたりして整えるという形で作っているんですが、そのやり方で作っていたら今回良い物語を持ってきたコエモンへの言及が最後までできませんでした。

 

シンプルながら良い話で優秀なんですけど、『小粒な良い話』という印象なのであんまり特筆することがないんですよね。

コエモンと物語は良くても、噛み合わさるはずだったガンマモンの話ががたがたで噛み合わなかったので割りを食っている感じもあります。

 

コエモンは最後、満足したら実体化しました。若干よくわかんない気もしますが、満足して感情的に良い感じになったから実体化した、ということで納得していいところでしょう。地味に今後に繋がりそうな良い描写です。

でもなんか、どっちかというと『現世に未練があって地縛霊になっていた幽霊が満足して成仏する』みたいな流れで実体化しましたね。

 

せっかく友達になったのに、この流れだと再登場はなさそうなのが残念。

『ゴーストゲーム』はせっかく和解オチで友達になるデジモンが結構いるのに、友達になった連中のことごとくが去っていきます。継続して友情を深めるということがなく、話がそれ以上転がりません。