灰色の本

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『デジモンゴーストゲーム』説明の順番がいっつも下手っていう話

デジモンゴーストゲーム』の、説明の順番がいっつも下手っていう話です。

第29話「妖花粉」感想の一部として書いた文章を独立させたものなので、若干短いです。でもなんか2400字以上もある。書きすぎだよ。

 

 

 

『ゴーストゲーム』。なんかね、一次創作を見ているはずなのに、二次創作を見てる気分なんですよ。

 

第29話「妖花粉」で言えばですよ。

>「岩のフィールドとか使わないさ?」

迷子の結菜ちゃんをどうやって迷子センターに連れて行くかの話のときの、ジェリーモンのこのセリフ。

 

俺、先輩のカードには『岩場』の特性を持った疑似デジタルワールドを展開させる力があるってことも、

その疑似的なデジタルワールドの呼び名が『岩フィールド』であるってことも、

 

知らっっっ…………っねえんですよね!!!

 

 

 

いや! マジで! 知らねえ! 『岩フィールド』は聞いたことないと思う!

 

先輩のカードが岩フィールドを展開できるってのも、作中で見た覚えが……正直ない……。

いやごめん、こっちは正直、先輩が無言で(=岩フィールドであることを台詞で強調せずに)デジヴァイスをかちかちやって展開させてたなら、あまり気にせずスルーして忘れちゃってる可能性はあると思う。

けど逆に言えば! 『ゴーストゲーム』だけで25万字以上という謎の勢いで感想記事書いてる無駄に熱心なバカ(俺)でも覚えてねえんだから! 流し見してる視聴者は絶対覚えてねえと思うよ!? 俺みたいなバカより観察眼があって記憶力良くて「先輩のカードが岩場を出す? それぐらい知ってるわ」って人もいるかもしれないけど! 覚えてねえ視聴者のほうがぜっったい多いと思うよ!?

 

 

ちゃんと! 先に説明してからやってくれよ!

正直、『岩フィールド』という突然の造語を出されて分かるか分からないかって言われれば、分かるのは分かるよ! 第29話までちゃんと見てきましたもん! 追ってきましたもん!

けどな! 「知ってる前提で話しかけてくんな」って言ってるんですよ! ちゃんと「知らないという前提で説明をしてくれ」って言ってるんですよ!

「カードとデジヴァイスで展開できる疑似的デジタルワールドのことを『フィールド』と呼ぶ」という説明をする回を先に挿入してくれよ! そうしたら「あー、岩の『フィールド』ね」って納得するから!

 

 

そもそもね、今回の件なんか、展開するフィールドが『岩場』であることは特に関係ないんですよ。だから岩がどうこうなんてことに触れずに「例の、疑似的なデジタルワールドを展開する機能は使わないさ?」っていう言い方ならそれも納得するんですよ。多少説明臭いセリフではあるけど、仕方ないじゃないですか。制作スタッフが今まで説明を怠ってきたので、その機能や展開された空間の『名前』を視聴者は知らないんですから。

 

 

 

『ゴーストゲーム』。二次創作を見てる気分なんですよ。

二次創作ってほら、読者は一次創作(原作)を知っている前提で書くので、ある程度の説明は端折るじゃないですか。原作では固有名称がないものについて指したいとき、同じ原作を知っている人には通じるような固有名称を勝手に設定したりするじゃないですか。

 

名称ははっきりしないものの『岩場の地形の疑似デジタルワールドを展開させる機能』が原作で既に使われているときに、二次創作で『岩フィールド』って言葉を作って勝手に喋ったり地の文を書いたりしてるなら分かるんですよ。そりゃ原作で使われてるんですもん、同じ原作を見た人々なら言いたいことは分かりますよね。

 

でも『ゴーストゲーム』は、それを一次創作でやってしまっている。俺達はお前が参照している架空の原作を知らねえんですよ。二次創作じゃなくて一次創作だと思って見てるんですよ。ちゃんと説明してほしい。

 

 

 

これ、今回が初めてじゃないですからね。『ゴーストゲーム』はそういう、順序だった説明がずっと下手です。

 

・ガンマモンの進化先3種ランダム設定はいつそんなことが分かったのか全く分かりませんでした(というか結局はランダム設定が作中で使われる前に「進化先を選べるようになった!」って言い出したので無駄設定になったと思う)。

 

・グルスガンマモン進化時(第13話)で、グルスガンマモン側が技を出したいときにヒロが技名を閃きそうになって「何かが流れ込んでくる……でも……!」とヒロが技の指示出しを拒否したシーンがありましたが、そもそも人間の子供の脳裏に技名が閃くことの意味、人間がデジモンに技を指示出しすることの意味が説明されていないので未だに該当シーンの意味がふんわりとしか分かりません。

 

・カードによる疑似デジタルワールド化のことだってそうです。第14話の新カード入手から、第17話という比較的早い話数で「疑似デジタルワールド化による砂漠のフィールド効果を試してみたけど、役に立たなかった(応用失敗)」は描写したのに、「雪原のフィールド効果が役に立った(応用成功)」は第27話まで待たないとやりませんでした。そのくせ、立て続けに第28話でも「砂漠のフィールド効果が結果的に役に立った」をやったので「今まで忘れてたけど思い出したので一気にやりました」感がすごかった。

 

・更に言えば、今回第29話の話を見て「描いてすらいない」かどうかは自信がなくなったのでちょっと気弱っぽく言いますけど、そもそもカードについては応用事例の成功失敗以前に「ヒロ=砂漠、ルリ=雪原、先輩=岩場」という基本ルールすら説明したかどうかよく分からないです。

 

 

 

説明するときに、

『基本ルールの説明→応用や例外ルールの説明』

という順番を踏まないんですよ。

何故か応用や例外のほうから説明し始めて、基本ルールは後で説明するか、悪ければ説明すらせずに流してしまう傾向があるように思います。説明の順序がずっと下手です。

 

 

個人的に中の人(グレイ)は制作スタッフの個々人のことを意識しないようにしていて、脚本なら「○○さん△△さんなどの全部で何人の脚本家さん」ではなくて「脚本」というひとまとまりの概念として捉えるようにしているんですけど、『ゴーストゲーム』は流石に……個々人の脚本家さん同士の連携の悪さを意識せざるを得ないな、と思います。

だってあんまりに説明の順序が下手。更に言えば、キャラの絆描写の入れ方も下手。「既にそんな基本的なことの説明をする回は終わった」みたいな顔でいろんなものが進んでいく。補完ができないわけではないですよ。でもずっとモニョってる。大事なor基本的な部分が、全部こっちの善意の脳内補完の中で済まされているような気がする。